斜陽
この街を離れる前に京都競馬場に立ち寄った。
09年のマイルチャンピオンシップ。
この年、秋の天皇賞を制した
8歳馬カンパニーが人気していた。
1ヶ月前のことだった。支店長に肩を叩かれ
「福岡に行ってくれんか」
と、いわれた。
我が社の福岡支店はお荷物支店で業績が最悪で
誰もが顔をしかめる支店。
支店長としての辞令だが社内では
左遷ともささやかれた。
「まだ、俺はくたばっちゃいない」
そう言い聞かせながらカンパニーを応援したかった。
8歳にしてG1を制しここでも1番人気。
自分とはかけ離れた立場だったが
老友みたいな気がしていた。
スタートが切られる。
マイネルファルケとキャプテントゥーレがレースを引っ張る。
カンパニーは中団の位置でにつける。
実に悠然と走っていた。
「俺もバタバタしちゃ駄目だな」
思わず笑みがこぼれた。
4コーナーを回って直線、カンパニーのエンジンはまだだ。
マイネルファルケが先頭を走る。
直線半ばでカンパニーに鞭が飛ぶ。
弾けるように抜き差って先頭に立った。
8歳の老友がG1を連勝した。
なにか誇らしかった。
これから戦地に赴く俺をカンパニーが
後押ししてくれたような気がした。
ありがとうカンパニー。
陽は傾けど俺は明日を照らすよ。
マイルチャンピオンシップ G1 11月20日 京都競馬場 芝 1600m
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