と言いながら、明日はお弁当のご注文をいただいておりまして楽山を閉めながらの仕込みです。
お弁当を作る当日は焼物を焼いたり、揚物をするぐらい。
煮物は前日までに済ませておきます。味を含ませるので当然なんですけどね。
板前の世界では煮物を作る担当を「煮方」といってある程度キャリアのある人でないと務まりません。
ボクが煮方に入ったのはこの世界に入って6年目ぐらいだったかな。割と早くやらせてもらえたのではと思っています。
最初は味付けするぐらいのが怖くてね。鍋に入った出汁に対してどれだけの調味料を入れていいのかわからない。先輩に聞いても適当としか言わないし、割合の決まっている料理ならまだしも、吸物とか銀餡とか微妙な味付けはその日の鰹出汁の状態でも決まらないし苦労しました。
あれから約20年(笑)
今では割とすんなりできるようになりました(笑)
それでも今でも模索はしています。
もっと美味しくならないか?
もっと食材の味を引き出せないか?
最近はそんなふうに考えるようになりました。
他の店に食べにいって勉強することもあれば本を読んで他の料理人のやり方を参考にすることもあります。

例えば、人参。
「人参だーいすき!」
って人ってあんまりいないと思います。でも彩りとして入れたい野菜。
どうも美味しくできなくてね。先日読んだ本を参考に炊いてみました。
これが美味いんです。
味見して自分で思わず
「美味っ」
って言ってしまいました(笑)
ベテランになってから理解できることってあると思うんです。
今年、引退した元ドラゴンズの山本昌さん。
50歳まで現役を続けたレジェンドが言っていました。
若い頃より投球技術は今のが絶対上だと。
晩年になっても進化することで長く現役を続けられたのでしょうね。
料理の技術も同じだと思うんです。
常に前を向いているかどうか。
大事なことだと思います。
今日の煮物より明日の煮物。
精進します。