近所のおばさんが亡くなりました。
がんを患っていて余命1、2年と言われていたそうですが、急に旅立ちました。
おばさんはまだボクが赤ん坊の頃に楽山の前身「さかえ鮨」の長屋に引っ越してきて、小さな喫茶店をやっていました。
近所のおばさんで1番ボクのことを気にかけていてくれたおばさんだったかもしれません。
もう、商売をやめて25年ぐらいになるんですが来客があるとよくコーヒーの出前を大将がとっていた想い出があります。
ボクも子供の頃に行ったけどコーヒーを飲んだ記憶はなくて、覚えているのは

瓶入りのコカコーラ。
氷とレモンスライスが入ったグラスが運ばれてきて
「もっちゃん、はい」
って。
生温いコーラをグラスに注ぐと泡が立ってね、またそっとコーラを注ぐ。まるでビールみたいで子供心をくすぐりました。
当時は、お袋にスナック菓子やコーラなんかを与えて貰えなくてね。禁断の飲み物でした。
店の定休日に大将とお袋が留守にすると、学校から帰ると決まっておばさんの喫茶店。
高校の時、学校サボって早退して、店が閉まっているとおばさんの喫茶店。
「もっちゃん、おかえり」
長女が産まれた時も喜んでくれたっけ。
仕事で見送りはできなかったけど、自宅を出るときに手を合わせることができました。おばさん、眠ったまんまのような顔でした。
いつも愚痴ばっかりのおばさんだったけど、ボクの愚痴も聞いてくれてありがとう。
おばさん、安らかに。
ボクのこと「もっちゃん」って呼んでくれる人がだんだん少なくなるなぁ。
合掌。